床暖房を設置すると、足元から部屋全体を効率的に暖めることが可能です。床暖房には温水式と電気式の2種類があり、それぞれ特徴が異なります。
設置を検討する際には、メリットやデメリットを把握した上で自宅に適したものを選ぶことが大切です。
この記事では、床暖房の仕組みや種類、それぞれのメリットやデメリットなどを解説します。
床暖房の仕組みと種類
床暖房は、床下に設置した熱源で部屋を足元から暖める暖房機器です。
床から直接感じる伝導熱と床暖房から放出された暖かい空気が天井や壁に反射するふく射熱により、部屋全体が暖かくなる仕組みです。
基本的に床暖房以外の暖房機器はふく射熱、あるいは上昇した暖かい空気を循環させる対流のみで部屋を暖めているため、足元に冷気が溜まりやすくなります。
一方、床暖房は伝導熱とふく射熱の2つを利用しているため、部屋全体を均一に暖めることが可能です。
床暖房には、温水式と電気式の2種類があります。
メリット | デメリット | |
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温水式 |
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電気式 |
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温水式
温水式は床下に配管を設置し、熱源機で暖めたお湯を通して部屋を暖めるタイプです。熱源機にはガス給湯器や灯油ボイラー、電気温水器などがあります。
温水式のメリットは立ち上がりが早く、電源を落とした後も暖かさが残りやすいことです。
また、温水式は電気式に比べると光熱費が月3,500円程度安くなりますが、熱源機の設置が必要なので、その分初期費用がかかります。
電気式
電気式は、床下に設置した電熱線ヒーターで部屋を暖めるタイプです。
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電熱線ヒーター式
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蓄熱式
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PTCヒーター式
電熱線ヒーター式は、使用するたびに電熱線に電気を通して発熱させる方式です。
蓄熱式は電気を使用しない時間帯に電気を蓄え、必要なタイミングで使用できるため、ほかの方式よりも光熱費をおさえられます。
PTCヒーター式は電熱線を内蔵したパネルに電気を通して床面を暖める方式です。自動温度調整機能が備えられているため、適温を保つことができます。
電熱線ヒーターの耐用年数は住宅と同程度なので、基本的にメンテナンスが不要です。
温水式に比べて熱源機の設置費用はかかりませんが、電力使用量が多いため、光熱費は高くなりやすいといった側面があります。
また、部屋全体を暖めるまでに時間がかかったり、均一に暖めにくかったりします。
床暖房のメリット
床暖房は部屋を効率的に暖められる、室内にほこりが舞いにくいなど、ほかの暖房機器にはないメリットがあります。
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効率的に部屋を暖められる
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お手入れがしやすい
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室内にほこりが舞いにくい
効率的に部屋を暖められる
床暖房は床下に設置した熱源を通じて足元から暖めるため、部屋全体を均一に暖めることが可能です。
床暖房は冷気が溜まりやすい足元から部屋全体を暖めるため、冬場でも素足で過ごせるほど快適な環境を作れるでしょう。
お手入れがしやすい
エアコンを使用するとフィルターにほこりやカビが付着するため、定期的な掃除が必要です。掃除せずに使用し続けるとフィルターの付着物が室内に舞い、健康被害を引き起こす可能性があります。
一方、床暖房の場合はフィルター掃除は不要です。
また、床暖房は熱源機を床下に設置するので片付けの必要がなく、使用しないシーズンでも収納場所を気にする必要がありません。
室内にほこりが舞いにくい
暖房機器の中には、エアコンやファンヒーターのように本体から風を送り込んで部屋を暖めるものもあります。風が出るタイプの暖房機器は、室内のほこりを舞い上げる可能性があります。
それに対し床暖房は風を出さないので、使用中に部屋にほこりが舞う心配がありません。
床暖房のデメリット
床暖房には部屋全体を均一に暖められる、お手入れがしやすいなどのメリットがあります。その反面、初期費用や光熱費がかかる、低温火傷の恐れがあるなどのデメリットもあります。
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初期費用や光熱費がかかる
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暖まるまでに時間がかかる
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低温火傷の恐れがある
初期費用や光熱費がかかる
床暖房は、床下に設置する熱源機や付随設備の設置費用がかかります。
設置費用は、1帖あたり50,000円~10万円程度が目安です。たとえば10帖の部屋に設置する場合は、50万円~100万円程度です。
さらにリフォームで後付けする場合は既存の床材を剥がす作業も必要になるため、その分費用がかかります。
また、床暖房は連続運転で使用するのが前提であることに加え、電力使用量が多く、エアコンに比べて光熱費が高くなる傾向にあります。
暖まるまでに時間がかかる
床暖房は時間をかけて足元から徐々に暖めるため、部屋が暖まるまでに1時間程度がかかります。
コンクリートに埋設している床暖房の場合は、3時間程度かかることもあります。そのため、部屋をすぐに暖めたい場合には不向きです。
低温火傷の恐れがある
床暖房は、床の表面温度が30度近くまで上昇することもあるため、長時間床面に触れたままの状態が続くと、低温火傷を引き起こす恐れがあります。
特に自分で寝返りできない月齢の子供がいる家庭は、注意して見守るようにしましょう。
床面に直接触れる時間が長くなるときには、設定温度を下げたりラグを敷いたりするなどの対策が必要です。
床暖房は後付けできる?
戸建てでもマンションでもリフォームという形で床暖房の後付けが可能です。
ただしマンションの場合、所有者が建物を利用する上でのルールを細かくまとめた管理規約が存在するため、リフォーム工事の内容が制限されているケースもあります。
規約内容によっては後付けできない可能性もあるため、マンションで床暖房リフォームを検討している人は、事前に確認しておきましょう。
冷え対策にはヒートマジックシステムもおすすめ
ヒートマジックシステムは床下全面に泡状の断熱材を吹き付け、床下からの冷気の侵入を遮断するため、高い気密性と断熱性を維持することが可能です。
また、ヒートマジックシステムは33万円(40平米まで一律)で設置できるため、床暖房に比べてローコストで光熱費もかかりません。
床を剥がさず施工できるため、後付けでも1日で工事が完了します。
まとめ
床暖房には部屋全体を効率的に暖められる、ほかの暖房機器に比べてお手入れしやすいなどのメリットがあります。しかし、初期費用や光熱費がかかる、暖まるまでに時間がかかるなどの側面もあります。
そのため、設置を検討する際には、ほかの暖房機器と費用面や機能性などを比較するようにしましょう。