シロアリ被害を受けると家に深刻なダメージを与えるため、発生させないように対策することが重要です。発生を予防するには、シロアリが好んで食べるものを屋内外に置かないよう気をつけなければなりません。

この記事ではシロアリとダンボールの関係や、屋内に置いているダンボールがある場合、シロアリは侵入するのかなどを解説します。ダンボールにシロアリが発生したときの対策や寄せ付けない予防策も併せて解説するので、自宅への被害を防ぐために役立ててください。

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ダンボールはシロアリのエサになる

シロアリは高温多湿な環境を好むため、水分を含んだ柔らかい木材が好物です。しかし、シロアリが好むのは木材だけではありません。ダンボールや新聞紙などもエサになります。ここではシロアリの好みと嫌いなものを解説します。

シロアリが好むもの

シロアリはお風呂場や床下などが湿度の高い場所を好みます。またシロアリが好む木材には、シロアリの栄養源になるセルロースと呼ばれる成分が含まれています。そのため、木材以外でもセルロースを含むものであれば、シロアリのエサになります。

セルロースが含まれていてエサになり得る代表的なものは、次のとおりです。

賃貸物件のシロアリ対策
  • ダンボール
  • 新聞紙

  • 衣類

特に、風通しが悪く湿気がたまりやすい床下の木材は柔らかいため、シロアリに食害される可能性が高まります。

また、エサ場にたどり着くためには発泡スチロールやプラスチック、コンクリートなどを噛みちぎって移動することもあります。

シロアリが嫌いなもの

シロアリは雑食性昆虫なので、木材以外でもさまざまなものを食害します。しかし、雑食性昆虫でも、苦手なものもあります。

シロアリが苦手なもの
  • ダンボール
  • 昆虫
  • クロアリ
  • 乾燥
  • 日光 など

昆虫や鳥、クロアリはシロアリの天敵です。シロアリはたんぱく質を豊富に含んでいるため、天敵のエサにされてしまう可能性があります。

また、シロアリは乾燥と光が苦手です。外来種のアメリカカンザイシロアリは、乾燥した木材も食材にしますが、日光に当たると体内の水分が奪われ、数分程度で死滅してしまいます。

さらにシロアリは、木材なら何でも好むわけではありません。次の木材は苦手とされています。

シロアリが苦手な木材
  • ヒノキ
  • ヒバ
  • スギ
  • ローズウッド

上記の木材が苦手な理由は、含まれている成分にあります。ヒノキやヒバなどには、テルペン類と呼ばれる精油成分が含まれているからです。そのためテルペン類には防蟻効果があるとされており、シロアリが寄り付きにくいとして建築木材に使用されることも多いようです。

シロアリはどうやって家の中のダンボールにたどり着く?

シロアリはダンボールもエサにするため、自宅の敷地内にあれば食害されるリスクがあります。敷地内のダンボールまでたどり着くルートには、おもに次の2つの方法が挙げられます。

蟻道から侵入する

シロアリは、地上で活動する際に、日光を避けるため蟻道と呼ばれるトンネルを作りながら移動する習性があります。蟻道は土と排泄物や分泌液を混ぜ合わせて作られたもので、見た目は茶色です。

家の床下や壁などに茶色の筋がある場合は、すでにシロアリが侵入している可能性があるでしょう。

蟻道の見分け方や発見しやすい場所などは、こちらの記事で詳しく紹介しています。蟻道を発見したときの対処法も解説しているので、ぜひチェックしてみてください。

羽アリが窓やベランダから侵入する

巣の中にいるシロアリの一部は、繁殖期を迎えると羽が生えて羽アリになります。自宅の周辺に巣を作っている場合、群飛時期に一斉に飛び立つため、窓やベランダから侵入する可能性があります。

シロアリには複数の種類があり、おもに国内で被害をもたらしているのはヤマトシロアリ・イエシロアリ・アメリカカンザイシロアリの3種類です。群飛時期は、シロアリの種類によって異なります。

シロアリの種類 主な生息地 羽アリの群飛時期
ヤマトシロアリ 北海道北部を除く日本全土 4月下旬~5月の昼間
イエシロアリ 千葉県から西側の海岸線に沿った温暖な地域と南西諸島・小笠原諸島 5月~7月の夕方~夜
アメリカカンザイシロアリ 宮城県から沖縄県まで24都府県に点在 3月~11月の昼間

羽アリの侵入経路や家の中で見つけたときの対処法は、こちらの記事で詳しく解説しています。羽アリの予防方法も解説しているので、ぜひチェックしてみてください。

シロアリがダンボールに発生した場合の対処法

自宅の敷地内に置いていたダンボールに羽アリが発生した場合、ダンボールを処分するだけでは残念ながら対処として完全ではありません。ダンボールがある場所から羽アリが移動し、すでにほかの場所に被害をもたらしている可能性があるからです。

ダンボールに羽アリがいるのを発見したときは、次の方法で対処しましょう。

見つけてすぐにできる対処法

まずは、応急処置として自分でできる対処法を試しましょう。各方法を詳しく解説します。

掃除機で吸い込む

自宅に掃除機があれば、ダンボールに発生した羽アリを退治できます。羽アリは、掃除機で残らず吸い込みましょう。掃除機の圧力で、ほとんどの羽アリは死滅します。もしも吸い込んだ直後に生きていても、シロアリは水分がなければ生きていけません。1日程度で体内の水分がなくなり、やがて絶え果てます。

掃除機は、後処理が楽な紙パックタイプのものがおすすめです。サイクロンタイプでも問題ありませんが、ダストボックスに羽アリが張りつくため、処理する手間がかかります。紙パックタイプであれば、紙パックごと捨てるだけです。

粘着テープや粘着シートを貼り付けて取る

粘着テープや粘着シートも有効です。粘着テープは、早朝や深夜で掃除機の音が気になる時間帯にも使用できます。また粘着シートを設置しておけば、羽アリが引っかかれば直接手で触れずに処分できるため、衛生面でも安心です。

また、羽アリの侵入経路だと思われる場所には、新たな侵入を防ぐために粘着テープで塞いでおきましょう。

侵入経路にビニールを設置する

侵入経路が特定できる場合はビニールを設置し、粘着テープで固定します。次第に侵入しようとしたシロアリがビニール内に入ってきます。シロアリがたまったらビニールの口を縛って処分し、新たな侵入を防ぐために粘着テープを侵入口に貼るか、侵入口となっている隙間をパテなどで埋めましょう。

完全に駆除したい場合の対処法

自分でできる対処法は、あくまでも応急処置です。シロアリを完全に駆除するには、専門業者への依頼が必要です。専門業者がおこなう駆除方法には、薬剤施工とベイト工法の2種類があります。

薬剤施工

薬剤施工とは専用薬剤でシロアリを駆除する方法で、土壌処理と木部処理の2種類があります。処理方法によって、薬剤の使用方法や対象となる場所が異なります。

薬剤施工 方法 対象となる場所
土壌処理 ・薬剤を散布
・防蟻加工が施されたシートを敷く
土壌の表面
木部処理 ・専用機器で薬剤を吹き付ける
・薬剤を塗布する
・薬剤を注入または吹付ける
・木材
・壁

土壌処理は土壌の表面に散布した薬剤で防蟻層を形成し、シロアリの地中からの侵入を防ぐ方法です。シロアリを寄せ付けないために、防蟻加工が施されたシートを敷く方法もあります。

木部処理は木材や壁に薬剤で特殊処理を施し、シロアリの侵入を防ぐ方法です。木材の表面には専用機器で薬剤を吹き付ける、刷毛で塗布する方法があります。木材や壁の内部にはドリルで穴を開け、薬剤を注入します。

薬剤施工の詳細は、こちらの記事でも紹介しています。専門業者に依頼した場合の費用相場も紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

ベイト工法

ベイト工法とはベイト剤を混ぜたエサを撒き、シロアリに食べさせて死滅を狙う方法で、駆除型と維持管理型の2種類があります。どちらを採用するかは、シロアリの発生状況によって異なります。

ベイト工法 方法 シロアリの発生状況
駆除型 ステーションを設置してシロアリに食べさせる すでに発生
維持管理型 ・ステーションを設置して定期的に中身を確認
・シロアリを確認できた時点でベイト剤を投入
未発生

駆除型は、すでにシロアリが発生している場所にベイト剤が入ったステーション(容器)を設置し、駆除する方法です。

一方の維持管理型は、シロアリの侵入が疑われる場所にまずステーションを設置します。ステーションを定期的に確認し、シロアリの存在がわかった時点でベイト剤を投入して駆除します。

ベイト工法は、シロアリの動きに委ねられている駆除方法です。そのため、完全に駆除できるまでに1~3カ月月程度の時間がかかります。ベイト工法の詳細は、こちらの記事で紹介しています。

シロアリを寄せ付けない予防対策

シロアリに気づいたときには被害が拡大している可能性もあるため、早期発見と寄せ付けない対策をとるのが大切です。シロアリ予防は、業者に依頼する方法以外に、自分でできる方法もあります。
各項目の詳細を確認し、できることは今すぐ試してみましょう。

家の周辺に木材やダンボールを放置しない

家の周辺に木材やダンボールがあるとシロアリのエサ食になるため、すぐに処分しましょう。特に庭や玄関先などの屋外に放置しておくと、雨により水分を多く含み、シロアリを寄せ付けやすくなります。

また、庭木が枯れている場合や腐食している場合は、シロアリが発生する前に伐採しましょう。切り株や根はシロアリを寄せ付けやすいため、根こそぎ処分することがポイントです。

通気性を良くして除湿する

シロアリの発生を防ぐには、家の中に湿気がたまらないようにすることが大切です。通気性が悪い場所はこまめに換気したり、除湿剤を置いたりして対策しましょう。

床下には換気のための通気口があるか、物で塞がれていないかも確認します。通気口が塞がれている場合は、周囲の物を移動させ、湿気がたまりにくい状況を作りましょう。自分で対策するのが難しい場所や完全に予防をしたいときは、専門業者に相談・依頼するのがおすすめです。

専門業者の選び方や費用がわからない方はこちらの記事を参考にしてみてください。

まとめ

シロアリが発生すると、家に深刻な被害を与えるケースがあります。柱だけでなく、ダンボールや新聞紙なども食害するため、シロアリのエサになるものを敷地内に置かないようにしましょう。

家の周辺に巣を作っている場合は、羽アリの群飛時期に屋内に入ってくる可能性があります。羽アリを発見したら、まずは掃除機や粘着テープを使用し、すぐに対処しましょう。その後、業者に駆除を依頼し、完全に駆除します。シロアリの調査や見積もりは基本的に無料です。被害が大きくならないうちに一度問い合わせてみましょう。

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