「シロアリ業者に依頼したいけれど、トラブルになることが心配」と思っている人もいるのではないでしょうか。そこで本記事では、シロアリ業者との間で起こりやすいトラブルとその対処法を解説します。
シロアリ業者との間で起こりやすいトラブル
シロアリ業者との間で起こりやすいトラブルの事例を紹介します。どんなことでトラブルになるのかを知っておけば、事前に対策を講じて防ぐことができるでしょう。
薬剤に関するトラブル
薬剤に関するトラブルでは、「ニオイがきつい」などの不満を感じることが挙げられます。
これは、作業前にしっかりと行うべき業者の説明が十分でないために、施工後に不満を感じてしまうケースです。
シロアリ対策に関連した薬剤には、さまざまな種類が存在し、業者によって使用するものが異なります。使用する薬剤に不安や心配がある場合は、あらかじめ業者に質問したり十分な説明をしてもらったりして、納得してから作業を依頼しましょう。
工事内容に関するトラブル
駆除や点検を依頼する場合、工事内容に関連するトラブルが発生する場合もあります。
代表的なトラブルが、工事中の建物内へ傷をつけられてしまうトラブルと、必要以上の工事をされてしまうトラブルです。
工事中に家や家具を傷つけられてしまう
工事のためには、床板や畳をめくったり、床下点検口を開けたりする必要があります。その際に、床板や周りの家具を傷付けてしまうことで、トラブルに発展する場合もあります。
家や家具に傷がつくことが心配な場合は、事前見積もりの際に作業内容とあわせて、どのくらい室内の養生をしてもらえるのかについて確認すると良いでしょう。
施工時に気を付けてほしいところがあれば、あらかじめ伝えて配慮してもらうとさらに安心です。
不要な工事を必要だと説明し施工されてしまう
本来であれば、不要な工事を実施されてしまうことによるトラブルもあります。
床下の状況やシロアリ対策に詳しくない依頼者に対して、不要な工事を「必要」と説明して施工してしまう業者もいるため、本当に必要な工事なのかしっかりと確認しましょう。
業者の説明を受けても不安がある場合は、何のために必要な工事なのかについて詳しく尋ね、納得のいく説明を受けてから作業してもらうようにしてください。
料金面に関するトラブル
シロアリ業者とのトラブルの中には、料金に関するものも少なくありません。
依頼時にはきちんと作業内容が明記された見積もりを発行してもらい、合意した金額で作業してもらうことが大切です。
施工後に追加で料金を請求される
事前に見せられていた見積もり料金に加えて、後から追加料金を請求されるケースもあります。また、見積書を出さずに口頭だけで安い金額を提示し、施工後に「想定よりも被害が大きかった」と、追加料金を請求してくる業者もいるため、注意しなくてはなりません。
必ず書面やメールで見積もり金額を残してもらうことが対策として有効です。
追加料金が発生する可能性がないか、事前に確認しておくのも良いでしょう。
後から追加料金を請求されるケースでは、初めの料金が安く設定されている業者も多いため、料金の安さだけで業者を選ばないことも大切です。
料金を支払ったのに工事をしてもらえない
料金を先払いで支払ったのに、工事日になっても工事に来てもらえず、連絡も取れないというトラブルも起こり得ます。
このようなトラブルを未然に防ぐためにも、料金は先払いしないようにしましょう。
シロアリ工事の料金は、後払いが基本です。工事がすべて完了してから料金を支払いましょう。
施工後の保証に関するトラブル
シロアリ駆除の薬剤は有効期限が5年であることが多く、ほとんどの業者が5年間の保証をつけています。保証期間中にシロアリが再度発生した場合は、基本的に無料で再施工してくれますが、中には業者と連絡が繋がらなくなってしまうケースもあります。
施工後の保証に関連するトラブルは、業者の廃業によるものも少なくありません。
信頼でき、将来のメンテナンスも任せられそうな業者を選んで依頼することが大切です。
悪徳業者に関連するトラブル
住宅に被害が発生してから急いで依頼するケースも多いシロアリ業者は、選定時の見極めが難しく、気付かないうちに悪徳業者へ依頼してしまっていたというトラブルの発生も考えられます。
悪徳業者との間で起こる可能性のあるトラブルについて、解説します。
虚偽報告でシロアリ駆除の契約を勧められる
住居の構造体や床下、シロアリのことに詳しくない依頼者に対して、詐欺まがいの手口でシロアリ駆除をすすめる悪徳業者もいます。
無料で点検を実施し、ほかの家の床下のシロアリ被害写真や、ボロボロになった木材を持ち込んで見せて、あたかもシロアリ被害に遭っているかのように伝えた上で、「床下が大変なことになっていてすぐに処置が必要」などと言って、契約を勧めてくるケースがあります。
悪徳業者でないかを見分けるためには、以下の2点を確認することが大切です。
-
作業内容とその必要性をしっかり説明してくれる
-
作業内容に対する金額を明示した見積書を書面で提示してくれる
「別の不具合がある」と追加工事を延々と繰り返される
不要な追加工事について、「必要だ」と言われ施工されてしまうトラブルもあります。
たとえば、シロアリの工事が終わると次の点検で「水道管が錆びているので交換しないと水漏れしてシロアリが来る」と言って水道工事を提案した後日、水道工事の際に「断熱材の問題が見つかった」と工事を勧める形で、延々と追加工事を迫られるケースが挙げられます。
こうした状況を避けるには、最初に信頼できるシロアリの専門業者かを見極めて依頼することが大切です。ほかの追加工事を迫られてもその場で契約せず、改めて自分で信頼できそうな別の業者へ調査を依頼するなどの対応ができると良いでしょう。
強引な勧誘トラブル
「お宅からシロアリが飛んでくると近所からクレームが出ている」などといった口実で無料点検を実施し、高齢者へしつこく何度もシロアリ駆除を勧めてくる強引な勧誘トラブルもあります。
しつこく勧誘されてもその場で契約せず、家族や周囲の人へ相談しましょう。
少しでも不安を感じた場合は、消費者生活センターにも相談ができます。
保証期間中の再発で住宅にも被害が広がってしまったら?
保証期間中にシロアリが再発した場合、基本的に無料または一定額を差し引いた価格で再施工してもらえるケースが多いです。ただし、業者や保証サービスの内容にもよるため、契約前にしっかり保証内容を確認しておきましょう。
なお、保証期間中の再発で住宅に被害が広がってしまった場合、再発被害にかかる修繕費まで補償してくれるところもあります。業者を選ぶ際は、アフターサービスや保証内容が充実しているかどうかもチェックして選ぶと良いでしょう。
トラブルが発生してしまった時の対処法
シロアリ業者との間でトラブルが発生してしまった際には、適切な対処法があります。クーリングオフ制度と、消費者生活センターへ相談する方法を挙げ、詳しく紹介します。
訪問や電話営業による契約の場合はクーリングオフを活用
訪問や電話営業によって自宅で契約した場合、「クーリングオフ制度」で契約を解除できます。
ただし、クーリングオフを利用するには、契約日から8日以内に申し出なければなりません。契約を解除する際は、できるだけ早めにクーリングオフの申し出をおこないましょう。
基本的に、業者が提示する契約書にはクーリングオフについての記載をしなければならないと定められています。しかし、中には口約束や簡易的なもので済ませようとする業者もいるため、契約する際には契約書にクーリングオフの記載があるかどうかも確認しておくことが大切です。
消費者生活センターへ相談
「クーリングオフはできない」と業者に言われてしまった場合は、消費者生活センターへ相談しましょう。
本来であればクーリングオフが適用されるケースで「クーリングオフはできない」と業者が虚偽の説明をした場合や、脅迫行為が伴っていた場合等には、所定の期間を過ぎてもクーリングオフが適用されるケースもあります。
消費者生活センターでも解決しない問題は、警察へ被害届を出すのもひとつの方法です。
悪徳業者がしつこく代金を請求してくる場合は、警察へ相談しましょう。
トラブルを未然に防ぐためのシロアリ業者の選び方
トラブルを未然に防ぐためには、信頼できるシロアリ業者かどうかを見極めて依頼することが大切です。
判断基準のひとつとして、「日本しろあり対策協会」に加盟しているか「しろあり防除施工士」の資格者がいるかについて確認しましょう。
シロアリ業者のホームページや資料を見て実績を調べたり、インターネットで口コミや評判を検索してみたりするのもおすすめです。
また、事前調査に来た作業員が、シロアリの生態や使用する薬剤について詳しく説明してくれるか確認しましょう。作業内容についても十分な説明をしてくれるか、見積書で料金を明示してくれるかも重要なポイントです。
点検から工事、アフターサービスまで一貫して責任を持った対応をしてくれる業者を選びましょう。
信頼できるシロアリ業者に依頼すれば安心
信頼できるシロアリ業者に依頼すれば、プロの知識と技術でしっかりと点検し、トラブルなく適切な工事を実施してもらえます。
見積金額は書面で明示してもらい、薬剤や作業内容に関する十分な説明を受けたうえで、納得して依頼することが大切です。
信頼できる業者を見つけて、大切な家をシロアリから守りましょう。
YouTubeでは、悪質業者の見分け方などを動画で詳しく解説しています。こちらもぜひ参考にしてみてください。
この記事の監修者

犬飼 章博
- 2015年 最年少で豊橋支店長就任
- 2021年 本社支店長就任
- 2023年4月より愛知県しろあり対策協会理事
住宅のシロアリ調査から始まり、その他の様々な害虫対策や防水・断熱といったリフォーム工事全般を経験してまいりました。調査実績は延べ数千件以上。
本社の支店長になっても現場が好きで、今も前線で活動しております。
疲れた体を癒すため、趣味は温泉巡りです。
- 資格
- しろあり防除士
- 一級建物アドバイザー