「自分でスズメバチを駆除しても大丈夫かな?」
「スズメバチは自力で駆除する以外に対処方法はあるの?」
このようにお悩みではありませんか。スズメバチは非常に危険な生物として知られているので、自己流で駆除していいのか不安になりますよね。
この記事では自力でスズメバチ駆除をする方法や自分で駆除可能かどうかの判断基準、業者に頼む場合の費用相場などを解説しています。スズメバチ駆除をする際の注意点も紹介するので、安全に対処したい方はぜひ参考にしてください。
スズメバチの特徴、アシナガバチとの見分け方
はじめにスズメバチの特徴や、スズメバチとよく間違われるアシナガバチとの見分け方を解説します。蜂は種類によって生態が異なります。蜂の種類を見極めて、スズメバチの特性に応じた駆除方法を実施することが大切です。
スズメバチの特徴
スズメバチの主な特徴は以下です。
- 体はオレンジ色と黒色で、脚は黒色が多い
- 腰の部分がくびれている
- 警戒心が強く攻撃的
- 直線的に飛行する
- 巣は球体でマーブル柄
- 初期の巣は逆さにしたトックリ型
スズメバチは人が巣に近寄るだけで攻撃する非常に危険な蜂です。尻尾の針には毒があり、刺されるとアレルギー反応が出たり、最悪の場合死に至ったりするケースもあります。

アシナガバチの特徴
アシナガバチの主な特徴は以下です。
- 体と脚が明るい黄色と黒
- 腰の部分がくびれている
- スズメバチと比べると攻撃性は低い
- 長めの脚を垂らしながらフワフワと飛行する
- 巣は開いた傘型で六角形の構造が外から見える
アシナガバチはスズメバチよりも細身な体型です。飛び方や巣の形状からもスズメバチとの違いを見分けられます。またアシナガバチは比較的おとなしい性格をしているものの、危害を加えると攻撃してきます。スズメバチと同じくうかつに近づかないようにしましょう。

スズメバチ駆除をする方法、どんな選択肢がある?判断のポイントは?
スズメバチを駆除する方法として、以下の3つの選択肢があります。
- 自分で駆除する
- 自治体に依頼する
- 駆除業者に依頼する
それぞれの特徴を紹介し、駆除を自分で行うのか、または依頼するのかどうかの判断基準も解説します。駆除方法に迷っている方は参考にしてください。
自分で駆除する
自分で駆除する場合、殺虫剤で蜂の動きを封じるのが一般的な手法です。スズメバチ駆除には危険が伴うため、駆除方法や手順をしっかりと学ばなければなりません。また殺虫剤や防護服が必要になるので、費用も少なからずかかります。
自治体に依頼する
スズメバチ駆除を自治体に依頼できるケースもあります。自治体によって蜂駆除に関する対応は異なるため、お住まいの役所に尋ねてみてください。
仮に無償での駆除を受け付けていなくても、以下のようなパターンがあります。
- 駆除費用の一部補助
- 駆除道具の貸し出し
- 蜂駆除業者の紹介
スズメバチ駆除が必要になったら、ひとまず自治体に問い合わせてから自分で駆除するのか、または業者に依頼するのかを決めるのがおすすめです。
駆除業者に依頼する
スズメバチ駆除する方法の3つ目は、専門の害虫駆除業者に依頼することです。害虫駆除業者であればスズメバチに関する知識や駆除のノウハウを持ってるため、安心して作業を任せられます。業者に駆除を頼む場合は、依頼費用や日程調整が必要です。
駆除方法を判断するポイント
駆除方法を判断するポイントは、「自分で安全に作業ができるかどうか」です。安全に駆除をする自信がないなら、自治体や業者に頼みましょう。
なお以下のような場合はスズメバチ駆除の難易度が高いため、自力での駆除はおすすめしません。
- 巣の大きさが10cm以上
- 高所に巣があり作業時に落下の危険がある
- 地中や床下、屋根裏に巣があり視認しづらい
巣が初期段階を過ぎ10cm以上になると、スズメバチも多く潜んでいるため駆除が難しくなります。高所や狭い場所にある巣の駆除は、視認しづらく身動きも取りづらくなるので、素人は手出ししないほうが得策です。
蜂の巣ができた場所による対処方法
蜂の巣の場所によって、駆除の難易度や対応するべき人が異なります。それぞれの状況に合わせて適切な対応を心がけましょう。
1. 開放的な場所で低い位置
脚立を使わずに届く低い位置に蜂の巣ができた場合、比較的自分で駆除が可能です。ですが、蜂の種類や巣の大きさによっては、慎重に判断しましょう。防護服を着用し、刺されないよう注意して駆除を行う必要があります。
2. 壁の中や屋根裏
壁の中や屋根裏のような閉鎖された場所に巣ができた場合は、業者に依頼するのが安全です。このような場所では作業が困難で、巣を取り除くために壁をはがす必要が出ることもあります。さらに、狭い空間では蜂の動きが制限されて危険が増すため、プロの判断が必要です。
3. 賃貸住宅
賃貸物件の場合、蜂の巣ができた場所によって責任者が変わります。共有部分に巣がある場合は、管理会社や大家さんに連絡し、駆除を依頼します。専有部分、例えばベランダなどに巣ができた場合は、原則として住居者が対応することになります。ただし、駆除費用が高額になることがあるため、管理者と費用負担について相談するのが望ましいでしょう。
4. 分譲マンション
分譲マンションの場合、共有部分に蜂の巣ができた際は、管理組合に報告して駆除を依頼します。個人で対応する必要はありませんが、管理組合への早めの連絡が大切です。
5. 公園や公共の場所
公園や道路、公道などの公共の場所に蜂の巣ができた場合、基本的には個人で駆除する必要はありません。このような場合は、役所に連絡し、専門の業者に対応を依頼してもらいます。自治体によっては、専用の窓口や駆除サービスがあるため、まずは連絡して指示を仰ぎましょう。
自力で駆除する場合の方法・手順、準備が必要なもの
自力で駆除する場合の方法や手順、必要な道具を紹介します。自分でスズメバチ駆除をするなら、手順をしっかりと整理しておきましょう。
手順1|必要な道具を準備する
はじめにスズメバチ駆除に必要となる以下の道具を準備しましょう。
- 防護服(なるべく白色のものの手袋や長靴を含む)
- スプレータイプのピレスロイド系殺虫剤(2〜3本)
- ノコギリや枝切りバサミ
- 巣を入れるビニール袋
- 脱脂綿
- 懐中電灯
スズメバチの活動が落ち着く夜間に駆除するのがベストです。懐中電灯が必要になりますが、明るい色の光はスズメバチを刺激します。赤いセロファンを付けるなどして、光の度合いを落ち着かせましょう。
手順2|巣に向かって殺虫剤を噴射する
防護服をまとったら、巣にそっと近づき、巣穴に向けて殺虫スプレーを噴射しましょう。巣からスズメバチが出てこようとしますが、出てこないようにスプレーを噴射し続けてください。
スプレーの残量がなくならないように、2本以上携帯するのがコツです。巣の中の羽音がしなくなるまで、噴射し続けましょう。
巣穴以外のところに穴を開けたり、巣を壊してしまうと、中にいたハチが逃げだして襲われてしまうので注意が必要です。
手順3|巣を切り離して袋に入れる
殺虫剤により蜂の動きがおさまったら、巣の入り口に脱脂綿を入れてフタをします。ノコギリなどで巣を切り離し、ビニール袋に入れて口を結びましょう。
巣は住んでいる自治体のルールに従って、ゴミとして捨ててください。なお死んだように見えるスズメバチであっても反射的に針を刺してくるので、作業後も蜂をむやみに触ってはいけません。
スズメバチ駆除の危険性と注意点
自分でスズメバチ駆除をするときの注意点を2つ解説します。安全に駆除するために非常に重要なポイントなので、しっかりチェックしてください。
注意点1|日中に駆除をしない
スズメバチの活動は日中に活発化します。明るい時間帯に駆除をすると、以上事態を察知した働き蜂が戻ってくるため危険です。夜間は蜂が巣に戻ってきているので、まとめて駆除するようにしましょう。
注意点2|蜂を刺激するものを身に付けない
駆除をするときにスズメバチを刺激するものを身に付けないようにしましょう。作業前に蜂を刺激してしまうと、不意打ちをくらって駆除の危険性が増します。
スズメバチを刺激する主なものは以下の通りです。
- 黒など濃い色の衣服
- 甘い香りがする整髪料香水
香りについてはシャンプーや食べ物のにおいも例外ではありません。においがするもの全般に気を配りましょう。
業者に依頼する場合の費用相場
業者にスズメバチ駆除を依頼する場合の費用相場は、基本料金として約1万円〜5万円です。巣のある場所や巣の大きさに応じて、金額はさまざまです。
また基本料金に加えて、出張料がかかったり、作業内容に応じて追加料金がかかったりする場合もあります。料金体系について、あらかじめ業者に確認しておくとよいでしょう。
まとめ:スズメバチの駆除は安全が最優先
今回は自力でスズメバチ駆除をする方法や自分で駆除可能かどうかの判断基準、業者に頼む場合の費用相場などを解説しました。スズメバチ駆除は非常に危険な作業であり、なによりも安全を優先することが大事です。自力での駆除に危険を少しでも危険を感じたら、自治体や業者に協力を依頼するようにしましょう。
この記事の監修者

犬飼 章博
- 2015年 最年少で豊橋支店長就任
- 2021年 本社支店長就任
- 2023年4月より愛知県しろあり対策協会理事
住宅のシロアリ調査から始まり、その他の様々な害虫対策や防水・断熱といったリフォーム工事全般を経験してまいりました。調査実績は延べ数千件以上。
本社の支店長になっても現場が好きで、今も前線で活動しております。
疲れた体を癒すため、趣味は温泉巡りです。
- 資格
- しろあり防除士
- 一級建物アドバイザー