シロアリは、木造住宅で発生する害虫だと思っている人は多いのではないでしょうか。しかしシロアリ被害は、鉄筋コンクリート造や鉄骨造の建物でも報告されています。

賃貸物件で実際シロアリを発見した時、どのように対処すれば良いのでしょうか。

本記事では、賃貸物件で借主がすべきシロアリの対処法から、駆除費用負担の有無、放置した場合のリスクなどについて詳しく解説していきます。

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賃貸物件でシロアリを発見した時の対処法

シロアリは発見時の最初の対処を誤ると、被害が拡大してしまう可能性があるので注意が必要です。

目の前のシロアリの駆除方法や、被害箇所の確認方法など、賃貸物件でシロアリを発見した際の適切な対処法について紹介します。

掃除機やテープなどで駆除をする

シロアリは、掃除機で吸い取るか、養生テープなどで貼り付けて駆除しましょう。

掃除機で吸い込むだけで死滅する可能性は高いですが、念のため袋に移して密閉するようにしておくと安心です。

可能な範囲でシロアリの死骸は保管しておくか、写真に撮っておくと良いでしょう。シロアリかどうか判断したり、シロアリの種類を特定したりするのに役立ちます。

室内の被害状況を確認する

シロアリを室内で発見した場合、すでに見えないところで被害が拡大している可能性があります。そのため、被害箇所の確認や、侵入経路の確認を早急に進める必要があります。

被害状況を写真や動画に収めておくと、管理会社などへの連携がスムーズになるでしょう。

自室の被害状況を確認する際のポイント

前述の通り、シロアリは人の目につかない所で被害をもたらすケースが多いです。

賃貸でシロアリ見つけた場合、目に見えない箇所の被害状況について確認する必要があります。

ここからは、シロアリ被害が拡大している建物を発生しやすい症状について紹介します。室内で同様の状況がみられないか確認しておきましょう。

扉の立て付けが悪くなっている

シロアリの食害が進行すると、建物の床材や柱にも被害が及ぶ可能性が考えられます。シロアリの食害によって柱が浮いたり傾いたりすると、家の水平性が損なわれ、扉の立て付けが悪くなるなどの症状が現れる場合があります。

扉の開け閉めがしづらいと感じたら、シロアリ被害が発生している症状かもしれません。

室内でフンや木くずが見つかる

シロアリは木材を食べると木くずを落とし、近くに砂状のフンをすることがあります。室内で、不自然に木くずが落ちていたり、柱や壁を叩いて木くずのようなものがパラパラ落ちたりする場合、シロアリ被害が進行している可能性があります。

シロアリ以外にも建物の木材を食べる害虫はいるため、一概にシロアリと決めつけることはできませんが、自分でできるチェックのひとつです。

室内で半透明な羽が見つかる

人前に現れるのは、基本的に羽アリです。

羽アリは群飛する春から夏の時期に、発見しやすくなるといわれています。室内で羽アリを見かけたら、建物内に巣を作っている可能性が考えられます。また、透明で小さな羽根が室内に落ちていた場合にも注意が必要です。

発見したシロアリへの対処に関する注意点

賃貸物件でシロアリを発見した時の対処法について解説します。

特に、シロアリ業者への連絡をはじめとした動き方については、管理会社によって異なるため注意してください。

殺虫剤をむやみに使用しない

シロアリを発見した時、殺虫剤や駆除剤を自己判断で撒いてしまうのは避けましょう。

殺虫剤の忌避効果によって、他のシロアリが危険を察知して別の場所へ移動してしまうため、被害範囲を拡げてしまう恐れがあります。

巣の場所の特定しにくくなるために、完全に駆除するのが難しくなってしまう場合もあります。

そして、忌避効果は一時的なものであるため、一定期間が経過すると再度シロアリが戻ってきてしまうケースも少なくありません。

大家や管理会社へ速やかに連絡する

シロアリを発見したら、すぐに管理会社か大家に連絡しましょう。

もしも、シロアリ被害の兆候があるのに報告を怠った場合、被害が悪化した時に責任を問われる可能性があります。

建物全体に被害を拡大させないためにも、早急な連絡が求められます。写真や動画など現場の記録があれば、状況が伝わりやすくなるでしょう。

くれぐれも、自力での駆除を試みるのはやめましょう。こちらの記事で、DIYによるシロアリ駆除のリスクを詳しく解説しています。

駆除業者へ直接連絡するのは避ける

管理会社か大家に連絡する前に、駆除業者に直接連絡するのは避けましょう。

自己判断で駆除を依頼してしまうと、費用を負担しなければならなくなる可能性があります。それだけでなく、管理会社や大家が提携している業者と別の業者が施工してしまうことで、施工保証がある場合に影響してしまう可能性があります。

シロアリ被害の報告と合わせて、駆除業者への連絡必要の有無を確認した方が良いでしょう。

賃貸物件のシロアリ駆除費用は大家負担が原則

賃貸物件のシロアリの駆除費用は、原則として管理会社や大家の負担になります。

貸主には、居住者が快適な暮らしを送れる住環境を提供する義務があります。そのため、シロアリ被害が生じた場合、駆除や予防の責任は貸主にあります。

シロアリが発生した場合は、管理会社か大家さんに駆除してもらうようにお願いしましょう。

賃貸契約書に定めがあるケースに注意

賃貸物件によっては、シロアリなどの害虫などが原因で建物の不具合が発生した場合の責任の所在について、賃貸契約書に取り決めがあるケースがあります。

管理会社への確認と並行して、賃貸契約書の確認は必須です。賃貸契約書に取り決めがある場合は、その内容に従うことになるため注意しましょう。

賃貸物件でシロアリを放置するリスク

賃貸物件でシロアリを発見しても、「自分の持ち家ではない」、「対処が面倒」などの理由から、安易にそのまま放置してしまう人がいるかもしれません。

しかし、シロアリを放置してしまうと、建物全体に被害が拡がってしまうだけでなく、報告義務を怠った責任を問われる可能性もあります。賃貸物件でシロアリを放置するリスクについて詳しく解説します。

建物の構造を問わず繁殖する可能性がある

鉄筋コンクリート造であっても、シロアリを放置すれば繁殖して、建物全体に被害が拡がる恐れがあります。湿度が高くなりやすくジメジメするため、シロアリにとっては好ましい環境です。

シロアリはコンクリートを食べることはありませんが、ごくわずかな隙間から侵入する可能性があります。また、内装で木材を使用している建物が多いため、侵入されれば内装材は食害されてしまうでしょう。

どのような構造の建物であっても、シロアリが繁殖する可能性があることを知っておきましょう。

退去時の費用が高くなってしまう可能性がある

賃貸物件の借主は、住んでいる家に不具合や設備の不良があった場合は、速やかに貸主に報告しなければいけません。それは、シロアリ被害についても同様です。

シロアリの放置は繁殖につながり、建物の基礎部分や柱、壁、天井を食害していきます。建物の構造体に直接的な被害をもたらし耐震性を低下させる恐れもあります。

被害が大きくなれば駆除だけでなく、現状回復のための修繕工事が必要になります。

もし退去時に放置していたことが発覚すれば、報告義務を怠ったとみなされ、管理会社から修繕費用の負担を求められる可能性があります。

賃貸物件のシロアリ発生を予防する方法

賃貸物件でシロアリの発生を予防するために、普段からできる対策について紹介します。

室内に段ボールや木材を置いたままにしない

室内に段ボールや木材を置いたままにしている場合は、すぐに処分しましょう。

段ボールや木材は、シロアリの大好物です。放置しておけば、シロアリを寄せ付けるリスクを高めてしまうでしょう。また、シロアリに限らず、他の害虫の発生にもつながります。

シロアリや害虫予防として、段ボールや木材を室内に放置しないようにしましょう。

特に低い階の部屋は対策しておくのが望ましい

低層階の部屋は、高層階に比べてシロアリが侵入しやすいためより注意が必要です。

以下のような対策をして、シロアリを寄せ付けないようにしましょう。

賃貸物件のシロアリ対策
  • 定期的に換気をする

  • 玄関やベランダにプランターの植物を置かない

  • 室外機周りに水や落ち葉がたまらないように掃除する

適切な湿度管理をおこなう

室内の湿度管理もシロアリ予防に有効です。

定期的な換気によって湿度を外に逃がし、室内の風通しを良くしましょう。

押し入れやクローゼット等の空気の入れ替えも大切です。

空気が滞りやすい場所には、調湿効果があるものを置くのも良いでしょう。

シロアリを見つけたらすぐに対処する

賃貸物件でシロアリを発見した場合は、放置せず早急に対処をすることが大切です。

放置してしまうと、被害が建物全体に拡大したり、退去時に責任を問われたりする可能性があります。

シロアリは建物の重要部分に被害を及ぼす害虫です。

少しでもおかしいと感じたら、大家や管理会社にすぐに相談しましょう。

まとめ

賃貸物件であっても、シロアリ被害が起こる可能性があります。

シロアリが発生したら、目の前のシロアリは掃除機やテープなどで処分して、管理会社や大家にすぐに連絡しましょう。

シロアリの点検や駆除は、大家さんの責任によって行われるものです。自分で駆除業者を手配するのは避けましょう。

シロアリを発生させないためには普段からの予防も大切です。

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